開祖、原田恵美子と結婚

 

 1957(昭32)年1月20日、開祖はかねてより交際のあった原田恵美子と本部道場において結婚式を挙げた。媒酌人は金子正則・香川県知事夫妻、友人代表小野季雄氏。ときに開祖は45歳。新婦は23歳であった。
 当時、新婦の実家の原田一家は愛媛県西条市に住んでいた。父の国彦は今治商運の支店
長で、70年12月11日に死去するが、最後まで少林寺拳法の先行きを案じ、古参の拳士を大切にするよう言い続けた人であり、影の功労者の1人というべき人であった。
 2人の出会いは、恵美子の弟の原田公臣が西条道院に入門して近藤道文に師事したことから始まる。近藤は国鉄(現在のJR)の西条駅で助役をしており、原田一家とは顔馴染みであった。たまたま恵美子が18歳の時、西条駅で過って列車とプラットホームの間の線路に落ち、動き出した列車とホームの間にはさまれて、生きるか死ぬかの瀬戸際になるほどの重傷を負った。すぐに病院に運ばれたが、数カ所の骨折のほかに内蔵が破裂していたため、医者も「一晩様子を見てまだ生きていれば手術しよう」というほどの重態だった。
 幸い、無事に手術が行われ一命を取り止めたものの、回復が思わしくなく、不調が続いていた。
 公臣からこのことを聞いた近藤は少林寺拳法の整法をすすめて開祖のところへ連れていき、見事に完治した。恵美子にとって、開祖は命の恩人となったのである。そこから交際が始まり、今回の結婚となった。

 開祖と恵美子の間に現会長である長女・由貴が生まれたのはこの年の秋であった。

●結婚式当日の記念撮影。

●1956年、開祖と結婚前の原田恵美子。

(写真・梶原道全提供)

●おごそかに盃を交わす二人。

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